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【アイドル声優とオタクの関係】ゆかりんという偶像を追いかけて

 ゆかりんこと声優であり、世界一可愛いアイドルの田村ゆかりさんのファンを続けて早10年になる。2010年頃、ゆかりんはアニメロサマーライブのトリを飾ったり、主演アニメのOPやEDのタイアップを行うなどいわゆるアイドル声優的な露出が絶頂期で、王国民と呼ばれるゆかりんファンの厚いコール(アイドルの歌にファンが合いの手を入れること)も大きな注目を集めていた。ゆかりんのライブはコールが本当に楽しくてオタクとしての一体感に酔いしれた。その後ゆかりんキングレコードを離れ、1年程CDリリースやライブを休止する時期があった。キングレコード時代にもより下の世代のアイドル声優への移行を促す大人の事情的ムーブがあり、現在は騒がしくリア充的なアイドル声優オタクというより旧世代的なおとなしいアイドル声優オタクが残ったように思う。その分コールは薄くなってしまったかもしれないが、純粋で一途なオタクが多い。私は清水愛新谷良子といった黒髪ロングでオタク気質を持つ我ら陰キャ寄りの女性声優が前から好きなので、Run Girls Run!といった最近の10代の女性声優のオタクが陽キャ大学生的なノリで騒いだり、積極的に声優さん同士のやり取りに絡んでいくのが信じられない。かといって王国民が40代以上のオタクで構成されているということもなく、意外と20代~30代が多い。王国民歴20年以上の古参の昭和的な親衛隊オタクもいるが圧倒的にソロが多い。そして若いロリータファッションの女性も多い。現代的なアイドル声優オタクのノリについていけなかった、おとなしくてコールの時にしか己を解放させることができないタイプのオタクが多い。


 われわれ王国民が誇るのはゆかりんと王国民の関係性である。元来、アイドルとオタクというのは欺瞞性に満ちた関係である。オタクはそのアイドルが大好きだからこそオタクである。しかし、アイドルの方はオタクの本名どころか存在すら知らないことが多い。それでもアイドルは「みんな大好きだよー!」と言って、オタクは「俺もー!」と言って歓声をあげる。しかしオタクだって心の底ではわかっている。存在すら知らないオタクをアイドルが好きだと言ってくれるのは、オタクがアイドルの財政や承認要求を満たしてくれるからだ。決してアイドル当人が「俺くん」を愛しているからではない。そんな欺瞞を感じながらも、お互いが必要な存在であるから「大好き」と言い合う、歪な共依存を呈している。だがゆかりんは本気で王国民のことが好きなんじゃないか、と思わせるところがある。まずゆかりんの全開の笑顔である。20曲以上生歌でダンスするのは大変なはずなのに、常に笑顔を崩さない。本来、笑顔というのは目が細くなるものであるから、アイドルたちは笑顔でありつつも目はしっかりと真開いてかわいさを維持しようとしている子が多い気がする。でもゆかりんは全力の笑顔をオタクに向けてくれる。ゆかりんは本気でゆかりんが好きだし、王国民が好きなんだと思う。特にゆかりんは王国民が好き、と確信が持てたのは2020年11月パシフィコ横浜国立大ホールで行われたファンクラブイベントでのゆかりんの言葉である。コロナ窩でライブツアーが延期になったなかでようやく行われたリアルイベントで、Sweetest Love、Rainy Rainy Sundayといったゆかりんいわく「コールが我慢できないような曲じゃなくて今のつらい状況をそっと後押ししてくれるような曲」(意訳)がアコースティックで披露された。Melodyでの「どんな道のりも朝が来るんだと信じてる 涙の跡を超えて進むんだね」という歌詞には泣かせられた。古参歓喜のセットリストだったと思う。最後のあいさつでゆかりんは言葉をつまらせながらも「もう会えないかもしれない人も、なんていうか…、(客席の上あたりの空間を指さして)この辺に来てくれたらいいと思う」(意訳)と語りかけてくれた。この言葉にはアイドルからオタクへの承認要求とか優しい嘘とかを越えた深い愛情を感じさせられた。確かにゆかりんは我々王国民が好きなんだと思う。他のどのアイドルを見てもゆかりんに会いたいと思う。ゆかりんの方がすごかった、ゆかりんの方がプロ意識を感じさせた、ゆかりんの方が歌もダンスも上手くて、衣装だって凝ってて、ステージ演出だって綺麗だった。ゆかりんは俺がいないとダメなんだ。2021年5月からコロナの影響で延期になっていたライブツアー田村ゆかり LOVE ♡ LIVE 2021 *Airy-Fairy Twintail*が始まる。アイドル歴20年を越えた俺たちのアイドル、ゆかりんがどこに向かうのか。推しは推せるときに推せという。これからも私は可能な限り王国民であり続けたい。