沼に飛ぶ!!

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icl(眼内レンズ)の手術を受けて視力矯正してきた

 視力矯正の手術をずっと受けたいと思っていた。D-3.75のコンタクトレンズを使っていたけど、お金もかかるし装着もめんどくさい。だからメガネで過ごすことが多かったけど、メガネもメガネでいつもきれいに磨いておかないと視野が曇るのがわずらわしかった。視力矯正の手術としてはレーシックが有名だが、レーザーで角膜を削るのも怖くてicl(眼内レンズ)の手術を受けることにした。iclは角膜に小さな切れ込みを入れ、そこから眼内レンズ(コンタクトレンズのようなもの)を入れる手術のことだ。問題があればレンズを取り出すことができるのも安心だと思った。


◯大学病院に予約を入れる

 手術を受ける病院として北里大学病院を選んだ。神奈川県の相模大野駅からバスで30分とアクセスは悪いが、眼内レンズが開発された当初から手術をしており、症例数が多い。都心のクリニックでも眼内レンズの手術をしているところはあるけれど、眼内レンズの歴史は浅いので20~30年といった長期の合併症については未知数だ。将来的に何か問題が起きたとして、その時も存在する病院と考えると大学病院なら大丈夫だろうと思った。大学病院は基本的に紹介状がないと受診できないので近くの眼科クリニックで紹介状を書いてもらった。この時点でいろいろな検査も含めて5000円近くかかった。そして電話で大学病院の外来予約をとった。


◯術前検査を受ける

 術前検査を受けるにあたって、正確な検査結果を得るために2週間コンタクトレンズをつけてはいけないらしい。2週間メガネで過ごしてから、有休をとって再び北里大学病院に向かった。建て替えたばかりらしく病院はきれいで広かった。術前検査はランドルト環による視力測定(Cのような記号を見せられて上下左右どこに穴が空いてるか答える)、よくわからない機械で眼を何度も撮影されるなど3~4時間に及ぶ徹底したものだった。採血や心電図といった一般検査もあった。その後、眼科医の診察を受けた。今まで知らなかったが、わたしは近視に加え乱視も入っているらしい。それも含めて矯正していくこととなった。レンズの取り寄せに時間がかかるらしく、手術日は2ヶ月ほど先に決まった。


◯手術日に病院に向かう

 日帰り手術なので午前8時半に病院集合だった。看護師さんに案内を受けて術衣に着替え、瞳孔を開かせる点眼薬をさして、セルシンという抗不安薬を内服した。この時点でわたしはようやく眼科の手術を受ける実感がわき、恐怖で指先が冷たくなった。同時に手術を受ける人がふたり横に座っていた。一人は同じ年頃の男性で、もう一人はおばあ様だった。男性の方は前に眼内レンズの手術を受けて特に問題なく過ごしていたらしいのだが、顔をぶつけたときにレンズがずれてしまってそれをなおす手術を受けるらしい。「これからその手術なのに不安にさせることを言ってすみません」と言ってくれた。おばあ様の方は白内障の手術らしく、怯えているわたしに「もうここまで来たら考えてもしょうがないでしょ」となぐさめてくれた。やはり年の功はすごいなと思った。時間になり、看護師さんの先導で手術室に連れていかれることになった。瞳孔を開かせる点眼薬の効果が出ていて、視界はまぶしく近くの文字は見えない状態だった。


◯手術を受ける

 歩いて自動ドアを通過すると、とにかく白くて広い空間に手術室がたくさん並んでいた。わたしの受ける眼科の手術は30分もかからないような手術だが、隣の手術室では他の科の大きな手術も行われているようだった。手術室の緊張感あふれる雰囲気にのまれてしまい、看護師さんに「ちょっとトイレ行っていいですか」と尋ねてトイレにこもった。わたしは緊張するとお腹を下すのだ。ホーンテッドマンションに友達に無理やり乗せられる前にもトイレにこもっていた。トイレを済ませてから手術室に戻った。眼科の手術室は広くリクライニングシートのようなオペ台が横に3列並んでいた。瞳孔を開かせるためなのか暗かった。とうとうわたしの番になってオペ台に座った。オペ台が動いてあおむけの状態になる。この時点が恐怖のマックスで、わたしはどうしてこんなつらいことを自ら望んですることにしてしまったのだろうと考えていた。たがもう後戻りは出来ない。開瞼器という冷たい金属でまぶたを上下固定され、強制的に開眼させられた。点眼麻酔のあとメスで角膜に切り込みを入れられる。よくこの手術を受けた話をすると「メスとか近づいてくるの見えるんでしょ!?」と言われるが、眼が乾燥しないように先生が常時水をかけてくれるので、プールの中で眼を開けているような視界のなか何が起きているのかよくわからなかった。点眼麻酔が効いていて痛くもない。とにかく怖いだけだ。そして角膜の切れ込みからヒアルロン酸を注入されてから、眼内レンズを注入される。眼内レンズはたたまれた状態で注射器の中に入っていて、その注射器から眼内に注入されるのだ。その後眼内で先生が位置を調整する。注射器で眼を押されたとき、わたしの意思とは関係なく眼球が動かされるのを感じた。すると先生は「前見ててください」と言った。眼を閉じることはできないが眼球を動かすのはわたし次第なのだ。怖くて必死に前を見るようにしていた。過呼吸で手足がしびれるのを感じた。予定通り両眼で30分もかからなかったけれど、その間ずっと早く終われ終われと願っていた。


◯術後

 術後、すぐに視力がよくなっているのがわかった。裸眼なのにコンタクトレンズをしているみたいだ。おもしろくて家に帰るまでキョロキョロといろんなところを見た。術後1週間で外来受診したとき、両眼1.5と今までにないくらいの視力を記録した。グレア(光の周囲に輪が見えること)とゴロゴロ感は数週間でよくなった。それとこれは思わぬ効果だが、寝坊魔のわたしが朝起きられるようになった。寝坊で今までの人生どれだけダメ人間と思われてきたかわからない。それが解消されたのだ。理由ははっきりしないが、今まで当たり前になっていた近視・乱視の世界は思っていたよりわたしにストレスを与え、体内の時間リズムを狂わせていたのかもしれない。よくわからないが、本当に手術を受けてよかったと思っている。わたしも年をとって老眼になれば視力は落ちるので、メガネといった視力矯正がまた必要になるかもしれない。白内障になれば手術を受けることにもなるだろう。だからこそ眼内レンズの恩恵を長く受けるために手術を受けるなら早めに受けることが勧められる。気になるお値段は健康保険がきかないこともあり50万円でした。(今はもっと高くなっているらしい)高かったけれどそれだけの価値を感じています。常に緻密な世界が見れるって素晴らしい。世界は輝いていたんだ。災害時にもメガネやコンタクトレンズのことを考えなくてすむ。icl(眼内レンズ)、とにかくオススメです!