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【百合サスペンス】ハッピーシュガーライフというアニメの神回3選(※ネタバレあり)〜さとうはなぜしおを生かしたのか〜さとうの探し続けた愛とは何だったのか〜

 月刊ガンガンJOKER連載で鍵空とみやき先生の漫画、ハッピーシュガーライフが完結した。2018年夏にアニメ化したのをみていたので原作はどういった結末になるのか気になっていた。結論からいうとアニメと同じ結末を迎えることになった。これには批判もあったようだがこれしかないという最終回だったと思う。とにかく登場人物のほとんどが頭おかしいです。アニメ版の神回3選を紹介するのでサスペンスが好きな人、美少女が狂っていくのを見るのが好きな人は見て欲しいです。(※ばんばんネタバレします。)


○9th Life 融解レイン

 さとうが誘拐した幼女と共に生活していることを知ったしょうこちゃんは家族に返すべきだと説得します。しおちゃんとの生活を奪われると考えたさとうはしょうこの首に包丁を刺して殺害するのでした。ごく普通の女子高生が友達に殺害されるという衝撃シーンが描かれます。塞がれた口から漏れる恐怖と悲しみの呼吸やバタバタとした足元に広がる血だか尿なんだかわからない液体がリアルで怖い。そういう趣味の人がみたらすごいのかもしれない。しょうこちゃんはさとうの本当の友達になるために一歩ふみだしたはずだったのですが、あなたは何の心も動かされない人間であったと告げられ殺されてしまうのですから最期のしょうこちゃんの絶望は深かったでしょうね。そういうの大好きです。


○11th Life 永遠の一瞬を、あなたと。

 さとうとしおは愛を誓いあい、海外逃亡のためにさとうの叔母に頼ることになります。ヤバイ人揃いの今作で一番ヤバイ人であるところのさとうの叔母(CV井上喜久子)を堪能できる回です。さとうの叔母は相手の全てを受け入れることを愛と呼んでおり、いろいろな男性を家に連れ込んで暴力を含む性行為をしたりして生計をたてています。相手の欠けているところを察しその全てを肯定します。心のスキマに入りこんでくる怖い人という訳ですね。瞬きするたびに怖い音がしたりとホラーのような描かれ方をしつつも、さとうとしおの海外逃亡を助けるためにコミカルな行動をとったりします。変だし絶対に関わりたくないけど憎めないキャラクターです。


○12th Life(最終回)ハッピーシュガーライフ

 さとうとしおの海外逃亡はうまくいかず追いつめられた二人はマンションから飛び降りて心中しようとするのですが、地面に落下する直前にさとうはしおを下層階のベランダに投げ入れ、しおだけが一命をとりとめます。しかししおは家族のもとには戻らず、自分の中にいるさとうと同化していくのでした。8才の幼女(CV久野美咲)が一緒に死のう、という言葉に至るしかなくなったというのはかわいそうというか胸にくるものがあります。しおちゃんがさとうを好きになったのは最初はストックホルム症候群のようなものだったのかもしれませんし、8才の割に幼いのも現実逃避だったのかもしれません。しかし追い詰められていくさとうを見ていくうちに、しおちゃんはさとうを守りたいと思うようになります。10話ではしょうこちゃんを殺したことを隠し、しおちゃんはただそこにいればいいというさとうに強い怒りを表します。あなたは何もしなくてもいい、というのはあなたには何もできないだろう、ということでもあり相手を信頼していないともとれるのでしおちゃんの怒りはもっともです。しおの愛の言葉は「死ぬときは共犯者でいさせて」でした。しおちゃんは警察から逃れて子供が二人で海外で生活するなんてことは無理で、指輪を忘れようが何だろうがいずれ二人は死を選ぶしかなくなることがわかっていたのだと思います。それでもさとうとの生活を手放さないことがしおちゃんにとって「生きる」ということだったのです。さとうが最後にしおちゃんを生かす選択をしたのは「本当の愛」に辿り着いたからです。しおちゃんはただ笑ってくれたらいい、とただありのままを愛するのはさとうの叔母と似ています。最後にさとうが辿り着いた愛はしおちゃんと同じ気持ちで、「相手のためになにかしたい、守りたい」ということだったのでしょうね。二人が選んだ愛する人は血縁の家族より一緒に食事をしたりお風呂に入ったりと生活を共にした人でした。このことからどんなに家庭環境が悪くても本当の愛はみつかる!という輪るピングドラムにも似たポジティブなメッセージを受け取れた気がします。原作の最終回では大人になったしおちゃんがただいま!と家に帰るシーンが描かれています。大人になったしおちゃんが生活を共にしているのは誰なんでしょうね。強く生きてほしいです。